地球に一番近い天体「月」、地球の兄弟星「惑星」の写真です。今や惑星写真はウエブカメラなどで数百枚の画像をコンポジットして「見えないもの」まで画像にするほどですが、見えているものを目で見たとおりの写真を撮りました。
 なお、月・惑星の画像はAstroArtsさんの天体写真ギャラリーにアップしていますので、そちらもご覧ください。(ハム太の作品) AstroArts天体写真ギャラリー


2020年ベスト惑星


2020年に撮影した惑星写真のうちそれぞれのベストを選びました。火星は2年2ヶ月ぶりの接近です。前回よりは遠く「準大接近」と言われました。
(左)木星 2020/08/15 22:34
(中)土星 2020/08/16 21:26
(右)火星 2020/10/18 20:34
VC200L+ASI120MC+IR/UVカットフィルター 動画2000枚をスタック


火星大接近


 地球の外側をまわっている火星は、2年2ヶ月ごとに地球に接近しますが、15年ごとに大接近します。 2018年7月31日がその大接近の日でした。もちろんその日でないと火星が見えないというわけではなく、しばらくは明るく輝いている姿を見ることができます。
最接近から3か月たった11月になると、地球が火星を「横」方向から見る位置になり、火星の夜の部分が見えるようになりました。火星は月のような欠けた形になっています。
写真左:2018年7月21日の火星
写真中:2018年7月31日の火星
VC200L+ASI120MC 動画2000枚をスタック
写真右:2018年11月11日の火星 40cm反射f4800mm+ASI120MC 動画300枚をスタック

皆既月食


 太陽-地球-月が、この順にきっちり一直線に並ぶと月食が起こります。
 今回は薄雲があったため、拡大撮影はせず、5分ごとに月食の様子を撮影しました。
 2018/1/31 20:43〜21:58
 NIKON D90 f36mm(F4.2) ISO200 1/160s(21:58のみ10s)

木星の衛星


 木星の回りには多くの衛星が回っています。その中でも「ガリレオ衛星」と呼ばれる4つの衛星は比較的明るく、小望遠鏡で見ることができます。
 (左)2017年5月1日にはそのなかのイオという衛星の影が木星本体に映りました。木星の左側にはイオ自身も見えています。
2017/5/1 22:00 20cm反射f1800mm+ASI120MC 動画1,500枚中1,200枚をスタック
 (右)2017年5月15日にはエウロパの影(水色矢印)が木星本体に映り、エウロパ(黄色矢印)は木星の前面に見えています。薄雲を通しての撮影のため、1枚の露出時間は普段の10倍以上(110ms)かけています。
2017/5/15 22:23 20cm反射f1800mm+ASI120MC 動画1,500枚中900枚をスタック

木星の大赤斑


 木星本体には縞模様の他、楕円形の渦が見えます。これは大赤斑といい、地球3個分ほどの大きさがあります。
 口径20cm反射望遠鏡にPCカメラをつけて動画を撮影し、ベスト20%をスタックしました。

2017/4/22 22:23 20cm反射f1800mm+ASI120MC 動画20,000枚中4,000枚をスタック

木星の衛星



  木星は太陽系最大の惑星で、望遠鏡で見ると縞模様が見えます。 また木星の回りを多くの衛星が回っていますが、そのうちの2つが画像に写っています。
 口径20cm反射望遠鏡にPCカメラをつけて動画を撮影し、ベスト20%をスタックしました。

(左)2017/4/18 23:43 20cm反射f1800mm+ASI120MC 動画2000枚中400枚をスタック
(右)2017/4/19 23:08 20cm反射f1800mm+ASI120MC 動画3386枚中677枚をスタック

月と金星



 2017年正月2日夕方、月と金星(宵の明星)が並びました。
 口径8cm屈折望遠鏡にカメラをつけて撮影しました。

2017/1/2 17:57 CAPRI80ED+D90 ISO200 1/160秒


土星



 土星は環があることで知られていますが、望遠鏡で見ると美しい環がよく分かります。 環は幾重にもなっていて、環と環の間のすきま「カッシーニの空隙」がこの写真でもよく分かります。
 口径20cm反射望遠鏡にPCカメラをつけて撮影した動画650枚中ベスト400枚をスタックしました。

2016/7/31 21:48 20cm反射f2000mm+ASI120MC 動画400枚をスタック


火星接近



 地球のすぐ外側を公転している火星は約2年2ヶ月ごとに地球に近づきます。
 2016年5月31日には約7500万kmに近づきましたが、その2日後の6月2日にとらえた火星です。さそり座で−2等級という明るさでひときわ目立っています。
 口径8cm屈折望遠鏡にLV6mmのアイピースをつけてPCカメラで拡大撮影した動画600枚中ベスト200枚をスタックしました。

(左)2016/6/2 22:49 CAPRI 80ED LV6mm AVI120MC動画をスタック
(右)2016/6/5 22:17 CAPRI 80ED LV6mm AVI120MC動画をスタック

月面A



 満月の少し前、月の西縁に見えるグリマルディの近くにアルファベットの「A」のような地形が見えることがあります。この写真は2022年5月14日夜に見られたもので、20cm反射望遠鏡にPCカメラを取り付けて500フレームの動画を撮り、ベスト251フレームをスタックしました。



2022/05/14 20:01:23 CAPRI 80ED (f560mm) ZWO ASI178MM gain200 0.010s/fr×251/500frs

月面X,V,L



 上弦の月の頃、約1時間ほどの間、欠け際にX、V、Lの文字が浮かび上がって見えます。月は太陽の光を反射して光っていますが、この頃月の地形が太陽に照らされて、うまい具合にXやVの形に見えるのです。この写真は2016年4月14日夜に見られたもので、8cm屈折にPCカメラを取り付けて約600フレームの動画を撮り、ベスト200フレームをスタックしました。



2016/4/14 23:23 CAPRI 80ED (f560mm) AVI120MM動画200枚をスタック

地球照



 新月に近い頃注意深く月を観察すると、影の部分がうっすらと見えることがあります。この現象を「地球照」といいます。太陽の光を地球が反射し、その照り返しが月の夜の部分を照らしているのが地球照です。新月に近い頃は、月が地球からの反射光を受けやすい位置にあるため地球照がよく見られるのです。
また、地球は月の約4倍の直径があり、表面積は約14倍になります。さらに地球の表面は反射率が大きく、月から地球を見ると、地球から見た月の約70倍の明るさで輝いているそうです。それで地球が反射した太陽の光が月の表面まで届き、月の影の部分がうっすらと見えることになります。
2015/12/9 5:50 NIKON D90 F5.6 f200mm ISO200 露出1/2秒


月のクレーター



 月の表面にはクレーターが数多く見られます。クレーターにはそれぞれ人の名前がつけられています。
 この写真は有名な「チコ」クレーターで、デンマークの天文学者チコ・ブラーエ(Tycho Brahe)の名前がつけられています。このクレーターから「光条」が放射状に広がっているのが見られます。
 望遠鏡に「PCカメラ」を取り付け、約20秒500枚の動画を撮影してパソコンで重ね合わせています。
2015/9/27 18:25 CAPRI 80ED (f560mm) +LV20mm ASI120MC


皆既月食と天王星



 2014年10月8日の夜、好天に恵まれ皆既月食が見られました。午後6時14分頃から月食が始まり、午後7時24分から8時24分までの1時間は月が完全に地球の影に入る皆既月食となりました。このとき、地球の大気で屈折した赤い光が月に届き、欠けている部分が美しい赤銅色になりました。
 皆既月食中は月のあかりがなく空が暗くなるので、月の近くに天王星が見えています。
2014/10/8 19:36 CAPRI 80ED (f560mm) 直焦 NIKON D90 ISO1600 1/5s


水星食



2013年12月2日日の出前、水星が新月前の細い月に隠される「水星食」が起こりました。
潜入時はまだ地平線下であったため、出現しか見ることができませんでしたが、 月の暗縁から姿を現したばかりの水星を写真に収めました。
2013/12/2 6:29:24 CAPRI 80ED (f560mm) 直焦 NIKON D90 ISO800 1/200s


スピカ食



2013年8月12日夕方、おとめ座の1等星スピカが月に隠される「スピカ食」が起こりました。
スピカは18時40分頃月の東側に潜入し19時24分頃月の西側から出現しました。
この画像は潜入時と出現時の2枚の画像を合成したものです。
2013/8/12 18:40と19:24 笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm)NIKON D90 ISO200 1/250s


スピカ食



スピカの潜入時と出現時、それぞれ4枚の画像を並べました。
*潜入
18:35
18:37
18:39
18:40

*出現
18:25
18:30
18:35
18:40

金星と獅子の大鎌



2013年7月21日夕方、金星としし座のレグルスが西空で接近しました。
「獅子の大鎌」は、しし座の頭の部分で?マークを裏返しにしたような形をしています。
中央に輝く星が金星、そのすぐ左がしし座の1等星レグルスです。
2013/7/21 20:03 NIKON D90 f38mm F:4.2 ISO200 4sec


水星・金星とふたご



2013年6月16日夕方、水星と金星、ふたご座のカストアとポルックスが西空に集まりました。田植えの終わった田んぼの上に4つの星が輝いています。
2013/6/16 20:11 NIKON D90 f31mm F:4 ISO200 5sec


金星の日面通過



2012年6月6日、金星が太陽の前を通過するという珍しい現象が起こりました。金星は地球より内側を公転しているので、太陽−金星−地球が一直線に並んだときにはこの現象が起こります。ただ、3つの天体が正確に一直線に並ぶことは非常にまれで、次回の日面通過は2117年12月11日になります。この写真は7枚の画像を合成したもので、金星が太陽の前を横切っていく様子がわかります。

2012/6/6 左から8:06,9:00,10:00,11:00,12:00,13:00,13:36
笠井トレーディングCAPRI-80ED(口径80mm f560mm+NIKON D90 ISO200

皆既月食



2011年12月10日夜、久々の皆既月食が見られました。 月食は、月が地球の影のなかを通過するときに起こります。 望遠鏡に一眼カメラをつけて撮影し並べてみると、地球の影が丸いことがわかります。
笠井トレーディングCAPRI-80ED(口径80mm f560mm+NIKON D90 ISO200
2011/12/10 右から22:53(1/30s),23:03(1/8s),23:30(4s),23:58(1s),24:21(1/8s),24:31(1/30s),24:47(1/30s)




月はいつ見ても美しいもの。欠け際にあるクレーターは影ができて立体感があります。
2010年9月25日22時24分 8cm屈折f560mm+NIKON D90+1.6×テレコンバータ ISO200 露出1/200秒

月と金星と飛行機雲



夕方の西空に月齢2の細い月と「宵の明星」で知られる金星が並びました。薄く飛行機雲も見られます。
2010年5月16日19時23分 NIKON D90 f31mm F4 露出1/25秒

月と金星



望遠レンズで撮りました。
2010年5月16日19時22分 NIKON D90 f200mm F5.6 露出1/100秒

水星の日面通過

水星の日面通過



2006年11月9日の水星の日面通過です。水星は内惑星なので太陽の前を通過するのは当然なのですが、視直径が30″ほどの太陽の前をきっちり通過するのは100年間で13-14回です。この日は太陽が昇った時点ですでに水星が太陽面を通過中で、このあと9時10分過ぎに太陽面から見えなくなりました。この写真を撮影中、うっかり、実にうっかりソーラーフィルターを外してしまい、NIKON Coolpix-990をおシャカにしてしまいました。

2006年11月9日6時51分 10mm反射アストロスキャン LV15mm+NIKON Coolpix-990 ソーラーフィルター使用 露出1秒 1/79秒

金星と水星



 金星と水星は「内惑星」で、日の出前の東空か、日没後の西空に見えます。水星日面通過の時にCCDを焼いてしまったCoolpixはこの当時は「天体写真撮影に最適」だったので、中古品をヤフオクで入手しました。

2007年2月4日18時8分 Coolpix-990 F3.0 23mm 露出1秒

土星食



 2002年1月25日未明、土星食がありました。午前1時55分頃から土星が月齢11の月に隠され、2時23分頃再び月の後ろから土星が姿を現しました。高度が低かったため、地球の大気の影響で土星の像がよくありませんが、1時56分頃土星の一部が隠された様子です。

2001年1月25日1時56分 20cm反射赤道儀 f2000mm LV15mm+Coolpix-990 露出1/15秒
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