星仲間では「日食病」という言葉があるくらい、日食は「一度見たい」「一度見たら二度みたい」「二度見たら三度みたい」「行けるところなら何度でも見たい」と思うようになります。1963年7月21日、北海道羅臼岳で初めてコロナを見て以来、日食病に感染しましたが、仕事優先の生活を送っていたため何十年間という潜伏期間がありました。あと何回見られるかなと思いながらの日食写真です。

2017年8月21日の皆既日食

皆既日食とレグルス 内部コロナ 外部コロナ ダイヤモンドリング

 2017年8月21日、アメリカ全土で皆既日食が見られました。
 私は晴天率の高いオレゴン州マドラスへ観測に出かけ、薄雲があったものの全く支障なく最初から最後まで見ることができました。
 マドラスでの皆既時間は2分ほど、皆既中は数カ所に明るいプロミネンスが見えました。皆既から部分食にもどる瞬間に見えるダイヤモンドリングは、4-5カ所から太陽の光が見え「一文字リング」のような感じでした。

写真(左):皆既日食とレグルス 2017年8月21日10時20分53秒
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO200 1/30s
写真(2番目):内部コロナ 2017年8月21日10時20分20秒
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO200 1/250s
写真(3番目):外部コロナ 2017年8月21日10時20分53秒
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO200 1/30s
写真(右):ダイヤモンドリング 2017年8月21日10時21分40秒
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO200 1/60s
 
皆既日食 皆既日食

2012年11月14日の皆既日食



オーストラリアのケアンズ付近で皆既日食が見られました。ケアンズ郊外のアマルーでは日食の時刻になっても時折雨が降り、半ばあきらめかけた頃、皆既になった太陽が薄雲の向こうから顔を出しわずかな時間だけ皆既日食を見ることができました。
写真(左):2012年11月14日6時39分47秒
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO400 1/40s
写真(右):2012年11月14日6時40分22秒
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO400 1/160s
(ダイヤモンドはクロスフィルタ効果によるものです)
シャドーバンド

天空のシャドウバンド



ケアンズ日食では皆既終了直前に太陽が雲に覆われてしまいました。念のため一面の雲を撮影したところ、雲にシャドウバンドが映し出されているのが撮影できました。

2012年11月14日6時40分31秒
豪州ケアンズ郊外アマルーにて
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm) NIKON D90 ISO400 1/40s

2012年5月21日の金環日食



 国内としては25年ぶりの金環日食、しかも大都市で見られるのはめったにないことなので大フィーバー。朝早くから観測準備をして臨みましたが、金環食のときには太陽が雲に覆われ、肉眼での観測はできたものの写真撮影はできませんでした。
写真(左):2012年5月21日6時56分
笠井トレーディングCAPRI-80ED(f560mm)+NIKON D90 ISO200 1/1250s
写真(右):2012年5月21日7時22分
LUNT LS60THa/B1200 LV15mm NIKON Coolpix990 f8.2mm ISO100 1s

1995年10月24日の皆既日食



 1991年7月ハワイでの皆既日食は皆既直前に太陽が厚い雲に覆われ、残念ながら観測することはできませんでした。その雪辱をはらすため、雨季明け間もないタイ国ナコンラチャシマに遠征しました。
 地元の人たちの歓声のなか、ダイヤモンドリング、そして皆既食となります。

1995年10月24日10時52分
6cm屈折直焦(f=420mm)+ミノルタSRT101ボディ+サングラス 露出:1/30秒 フィルム:フジカラーN100

1995年10月24日の皆既日食



 1分50秒の皆既時間は決して長いものではありませんが、北海道日食の10秒に比べれば十分なものでした。写真では表現できないコロナの色、街を行き交う車のクラクション、人々の歓声、日食病は本格的なものになりました。

1995年10月24日10時52分
6cm屈折直焦(f=420mm)+ミノルタSRT101ボディ+サングラス 露出:1/4秒 フィルム:フジカラーN100
金環日食

1987年9月23日の金環日食



 秋分の日に起こった金環食です。山天創立25周年を記念して沖縄日食ツアーを企画し、約20名が参加しました。 「基地の島」を実感しながら恩納村のみゆきビーチまで行き、ホテルの駐車場で観測。前夜の天気予報は見事にはずれ、約3分50秒間の金環食が見られました。

1987年9月23日11時24分 6cm屈折直焦(f=710mm)+ミノルタSRT101ボディ+サングラス 露出:1/4秒 フィルム:コダカラー100
ベイリーズビーズ

1987年9月23日の金環日食(ベイリーズビーズ)



 金環食のはじめと終わりには、月の谷からもれる太陽の光が数珠状になって見えることがあり、ベイリーズビーズといいます。

 6cm屈折直焦(f=710mm)+ミノルタSRT101ボディ+サングラス 露出:1/4秒 フィルム:コダカラー100
北海道皆既日食 北海道皆既日食

1963年7月21日の皆既日食



京都から旧国鉄を乗り継いでまる3日後に羅臼岳と三ツ峰の間にある鞍部「羅臼平」に到着。雪渓の雪をとかした水で炊飯しその日を待ちました。7月21日朝、東の雲海から昇ってきた太陽はすでに三日月状に欠けており、やがて国後島の上で皆既となりました。生まれて初めてのコロナはオレンジ色、寒さも忘れてシャッターを切りましたが、約15秒間という短い皆既日食でした。
 京都へ帰ったあと喜び勇んで旧大阪市立電気科学館の佐伯恒夫先生に写真をお見せしましたが、「ところで自分の目でも見たかい?」と言われてしまいました。先生、ごもっともです。(^_^;)

撮影機材:84mm反射赤道儀(×20)+キャノネット(f45mm) 露出1秒 フィルム:フジカラーN50
inserted by FC2 system